docomo X AMITA 未来の種プロジェクト ~南三陸町 森・里・海 ものがたり~

No.30 サケ

No.30 サケ

秋が深まると、志津川湾に注ぐ川の岸辺のあちこちで「バシャン、バシャバシャ」という大きな水音と共に水柱があがります。橋の上からのぞいてみると、大きなサケが群れをなして、まるで公園のニシキ鯉のように悠然と泳ぎまわっています。

川に上るサケは産卵行動の後、オスもメスも力尽きて死んでしまうのはよく知られていますが、川に上る前から既に免疫力が低下してくるそうで、河口の近くで見られるサケも既に体はボロボロになっているものが目立ちます。生きるために必要な内蔵の維持機能もほとんど失われ、すべてを未来の命に託すという自然の摂理が産卵期を迎えたサケの体内で進んでいるのです。

津波の被害で変わり果てた志津川の町中を静かに流れる川に、以前と変わらぬ姿で帰ってくるサケたちを、橋の上からじっと眺めている町の人々の表情が印象に残りました。