docomo X AMITA 未来の種プロジェクト ~南三陸町 森・里・海 ものがたり~

No.26 キタキジ

No.26 キタキジ

キジは春の季語になります。「ケンケーン」と聞きなされるオスの鳴き声と、「ゴトゴトッ」と聞こえる母衣打ち(ほろうち)の羽音は縄張り宣言とメスを呼び寄せるものです。

この写真のキジの姿を見たとき、「あっ!」と驚きました。頭の色を見てください。まるで戦国時代の侍が月代(さかやき)を剃ったように青白くなっています。これはまさに「キジの中のキジ」であり、かつて「キタキジ」と呼ばれた東北地方固有のキジの特徴です。いまや「幻のキジ」といっても良いかもしれません。

日本には「キタキジ」をはじめ4種類の亜種が生息していましたが、狩猟用に養殖されたキジが各地で放鳥されたために交雑が進み、地域固有の姿が失われているとされています。日本の国鳥でありながら、じつは遺伝子レベルでは地域の固有性の消滅が進んでいるのです。南三陸の里山には、まだ東北地方本来のキジが細々と命脈を保っているようです。貴重な「キタキジ」の遺伝子が未来に受け継いでいけることを願わずにはいられません。