docomo X AMITA 未来の種プロジェクト ~南三陸町 森・里・海 ものがたり~

No.16 ニホンジカ

No.16 ニホンジカ

秋が深まってくると、夜間に田んぼの裏の山から「ミューン」とか「フィーユーン」という鹿の大きな鳴き声が聞こえてきます。オスの鹿がなわばりを宣言したり、メスを呼んだりする際の声です。

仙台藩や盛岡藩に古くから伝わる「鹿踊り」の祭事があるように、鹿と東北の太平洋側の人々との結びつきは、本来とても強かったと思われます。北海道のエゾシカとアイヌ民族の関係のように、食料としても重要な存在だったのでしょう。

でも、近年の東北ではシカはとても少ない生きものとされていました。おそらくは冷害による飢饉などの食糧難の際に乱獲されてしまったものと思われますが、逆に言うと鹿が東北地方の人々の命綱だったことも想像できます。ここ数年、東北地方でも鹿の数が増えてきたと言われています。温暖化の影響とも言われ、田畑への獣害の発生を心配する声もありますが、もともと縁の深かった東北の人々と鹿が共に豊かに暮らせるようになることを願いたい気持ちです。